丹後半島の伊根に行ってきました。
京都府与謝郡伊根町は、海の京都と言われています。
京都にも海があったのだ、と都会暮らしの僕の心が目覚めました。
同伴は、ゴルフ仲間と三人の気楽な旅です。
観光案内には「天地山海にいきづく和の源流」とあり、まさに陸の孤島というにふさわしいひなびた静かな田舎の漁港です。
ずっとこのまま変わらない風景であってほしいと望むのは都会人の勝手、過疎化する地元の生活は楽ではなさそう。
伊根湾に囲まれた地域は、海、舟屋群そして背景にそびえる小高い山並みが、国の伝統的建物保存地区になりました。
一方では開発が規制され、そこに暮らす人たちは高齢化し、若者が働く場所のない
町として取り残されてゆくのです。
過去に映画やテレビのロケ地にもなり、「男はつらいよ寅さん」、「釣りバカ日誌」、NHK連続テレビ小説「ええにょぼ」などがありました。
ここ伊根湾は富山湾と肩を並べるほどの鰤の産地と聞きました。
でも、今は気候の変化でかつてのような水揚げがなく、名物の「鰤しゃぶ」を旅館の食事に出すことも少なくなったそうです。
もっともそれは天然の鰤のことで、最近は養殖もので代用しているそうです。
宿での食事は、ほうぼう、まとう鯛、スズキのお刺身ですが、新鮮さは何物にもかえがたいご馳走です。
伊根町に行く前に、JR京都駅から特急で二時間余り、宮津駅に降り立ったその町はひっそりとした人気もないところでした。
駅前に一軒の居酒屋があって、お昼の魚定食を食べました。
田舎といってもそこはそれで、新鮮さがウリ。地元の人たちが昼食をとりに沢山やって来るお店です。
お昼を済ませて丹後交通のバスで揺られること一時間余、伊根のバス停には宿の女将さんが迎えに来てくれていました。
途中たくさんのバス停を通り過ぎましたが、乗り降りする人もなく寂しかったのです。
船宿の女将さん、ジーンズにエプロン姿の人なつっこい笑顔にほっとしました。
OLYMPUS E-PL5 (M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm EZ)