京都・西陣は京呉服(帯)の生産基地で、室町は販売基地です。
日本の伝統工芸に和装小物がありまして、その中でも手織りの帯を作っているのがここ西陣です。
職人さんが、機織り機(はたおりき)に向かって、縦糸と横糸を織りなして、自分の目と手先、足先で織り上げてゆくのです。
当然ながら、このような職人技は後継者不足によって、いわば伝統工芸の絶滅危惧に指定されている不名誉な現状です。長い修行と、根気がいるんですね。
今、私たちはその衣・食・住の環境で、手作りの温かさにどれだけ触れているでしょうか?多くの品が、機械的に生産され、スーパーには定型の野菜が並んだり、個性のない廉価なファッションが巷に流れ、デジタルな刹那的満足に浸ることが悪いと言っているわけではありません。
10本の指を使って物を作って行く、手は良く洗って綺麗にする。そんな、人の基本的な感性を、子供の時から身に付けることは、他人の心を思いやる気持ちに通じると思います。
(最近の殺伐とした身内の残酷な事件事故も、なにか歪な生活態度が原因の一つかもしれませんね)
京都・渡文(わたぶん)の
「織成館(おりなすかん)」にて。
RICOH CX3